NPO法人 シンフォニ

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コロナ助成事業(ブログ)

福祉サービスの現状と問題点について

在宅ワーカーから、1名就職が決まりました。先ず半年間は1日4時間の勤務です、半年後に条件の見直しを行います。 この方は福祉サービスとは既に切れた状態の方です。
我々としては手帳をお持ちの方(障害者)なので福祉サービスの定着支援を申請していただき、永くお勤めいただくサポートをしたいと思っておりました。通常他の福祉サービス(移行支援、A型など)から就労した場合、6ヵ月はその福祉サービス事業所が定着のための支援を行い、6ヵ月経ってから定着支援と言う福祉サービスに切り替えるのですが、今回は出身となる事業所が有りません。そこでその方の所在地の自治体(熊本市西区)にこの方の場合はすぐに定着支援事業を利用しないとサポートする支援機関が無いと相談しましたが、答えは6ヵ月経ってから申請して欲しいということでした。
一番離職率の高い最初の半年間を正式な支援機関無しに本人の頑張りと関係者の善意で乗り切る必要があるという現状です。 この国の福祉制度にはこんな矛盾が嫌というほどあります。

昨日のブログ掲載記事について

昨日ブログに掲載しました、障害者就業・生活支援センター「がまだす」の担当の方からの相談についてですが、ブログを読んで頂いている皆様はどうお感じでしょうか?


福祉サービスとはそもそも自立という目的の為に存在するはずですが、一般就労との同時併用ができないのが現状です(一般就労するためには福祉サービスを終了しなければならない)。しかし、それでは仮に一般就労がうまく行かなかった際に、戻る場所がないという不安感が残り、なかなか一般就労へ踏み出せない、規則に縛られるあまり逆に自立するという目標から逆向しているようにも思えます。 多様な働き方の選択肢が残されていなければ、働くか働けないかの2択のみの選択になってしまっています。

障害者就業・生活支援センター「がまだす」様より以下相談がありました。

ある障害をお持ちの方が現在新聞配達の仕事をされているが、今度夕刊の配達がなくなるため、その分の収入を福祉サービス(A型)で補いたいと思い、地域の福祉課に相談された。しかし、新聞配達は一般就労になるため、福祉サービスとの併用はできないと断られた。


そのため、コロナ助成事業ならば新聞配達と併用して利用できないか相談があり、新聞配達と併用で利用できることをお伝えしました。今後利用を検討される予定です

利用者Tさん

阿蘇市在住のTさんが在宅での就労を進めていたところ、阿蘇にある企業K社から障害者雇用のオファーがありました。今までの作業スキルが関係者に認められたもので、人事での入力作業やCAD等、色々な職種に対して対応して下さるとのことです。今後、見学から進めていくことになります。このように企業から依頼された仕事を通じて雇用が生まれていくと良いと思われます。

生活困窮者の方たちへ向けた今後の支援

ここのところ、県南の八代、芦北、水俣、それから美里町の福祉関係機関から、生活困窮者支援に今回の事業を活用したいとの申し出があり、説明に伺っています。
コロナ禍による非正規雇用からの失業 → 緊急事態宣言でネットカフェが休業 → ホームレス → 生活保護申請 → 受給 で一息吐くものの、生活保護を卒業するモデルが示せていない現状があります。
ある調査から、非正規社員の月収がコロナ前と比較して、平均で8万円から9万円減っているというデータを目にしました。つまり月収15万円だった方が、月収6、7万円になっているということになります。これでは生活ができません。
この問題を解決するにはどうしたら良いのか。その打開策の1つとして、請負による出来高の収入から雇用につながるモデルを作る必要があると考えます。企業によっては、外注できる仕事はかなりあります。特に大企業になる程あります。また、役所や関係機関がこの事業を利用するのであれば、仕事を発注する道義的責任も発生してくると思います。
残念ながら、コロナ禍で企業に雇用を発生させる余力はありません。ならば、自分たちでモデルを作る必要があります。私たちNPO法人シンフォニでは、社労士さんと相談し、出来高での給与規定と雇用契約書を作ったところです。まずはこれを使い、2、3名の雇用を今回の事業の先に発生させようと思っています。
給与規定

雇用契約書

作業の進め方は人それぞれ

利用を開始された方には練習用課題から取り組んで頂いています。大まかな作業の説明を受けた後、作業に取り組んでみて、分からない点は職員に随時質問しながら作業を進められる方もいれば、最初の段階で作業の手順を細かく指定して欲しいと考えられている方等、取り組み方は様々だと感じました。事業を進めていく中でこういった意見は今後も出てくると思いますので、傾聴の支援スキルを持ったスタッフの存在が必要になって来ると感じました。

利用者Mさん

4か月という入院を経験したMさんですが、入院前は就労継続支援A型事業所が運営している飲食店で調理をされていたといいます。立ち仕事が病因の一部で、手術が必要な状態になってからの4か月の入院を経験されたものの、退院しても他に働く選択ができないため、1日2時間、飲食店で売り上げの入力などをされているとのこと。お話を聞いていると、障がい者が仕事を選ぶことがいかにチャンスに恵まれていないかがわかります。本事業の利用などを通じて、上手く仕事につなげていけたらと思います。

利用者Fさん

最初は在宅でのPC作業を希望されていたFさん。しかし、いざPC作業に取り組もうとされると、うまく操作ができないと相談がありました。今後どうするか話し合う中で、実は手先が器用な方で、刺しゅう等できられることがわかりました。シンフォニでは元々手作りのアクセサリー等販売していたので、Fさんにも在宅でアクセサリー作りを行って頂くことになりました。得意分野を活かして頑張られています。

現在の利用者さんの状況

3月16日現在、39名の方に「オンライン活用でリモート就労体制つくり事業」を利用して頂き、在宅にてリモートでやり取りを行いながら作業されています。 主にPCを用いた作業を行って頂いていますが、PCインターネットインターネット環境をお持ちでない方、PC作業の経験がない方等様々です。希望される方にはPCやポケットWIFIの貸し出しを行ったり、PC作業が難しい方には在宅でできる他の作業をして頂いている方もいます。 みなさんが自分に合った仕事を探す機会を提供できればと思います。

ブログを始めました

「オンライン活用でリモート就労体制つくり事業」を利用されている方の様子などを随時更新していきます。